朝4時30分。
まだ薄暗い中、スタッフたちが続々と集まってくる。
在来農場の朝は、夜明け前から始まる。


KALE FARMのケールは、千葉県佐倉市で私たちが営む「在来農場」で日々育っている。
在来農場では、年間約150種類の固定種野菜を無農薬・無化学肥料で栽培している。
(“固定種”、“無農薬・無化学肥料”へのこだわりはまた改めて紹介したい。)
在来農場で採れた野菜は、ほぼその日のうちに、こちらもまた私たちが営むレストラン「WE ARE THE FARM」へ自社トラックで運ばれている。
レストランへの納品から逆算して、在来農場の朝は夜が明ける前から始まるのである。
朝礼を終えたスタッフたちは持ち場の畑へ車を走らせ、皆それぞれ収穫作業にあたる。
おそらく都内では朝の通勤ラッシュが始まるか始まらないか、
それぐらいの時間帯に畑へ散っていったスタッフたちが続々と野菜を抱えて戻ってくる。
サラリーマンがピシッとスーツを着ている時間に、畑スタッフたちの靴は既に収穫作業で立派な土汚れをまとっている。
そのあとは自社トラックでの配送のため、野菜をどこにいくつ届けるか、仕分けの作業が始まる。
陽気な笑い声や、雑談は少ない。皆手際よく、どこか焦った様子で作業を進める。
その野菜はいつから息途絶えたのか?
農場で畑スタッフの口から幾度かこんな言葉を耳にした。
『野菜は収穫した瞬間から息ができない』
植物は土から栄養をもらい、成長し、生きている。
その栄養源が断ち切られるのだから、収穫された作物の鮮度はその瞬間からどんどん落ちていく。
現代では、コンビニでサラダが24時間買えたり、スーパーでも袋入りのカット野菜が買えたり、非常に便利になっている。関係各所の努力と技術開発の賜物だ。
私たちは、可能な限り野菜が生きている状態に近く、彼らの良さを活かせる状態で、お客様の元へ届けたいというこだわりも持っている。
KALE FARMのコールドプレスジュースも例外ではない。
夜明け前、懐中電灯を頭につけたスタッフがケール畑を何度も何度も行き来する。
収穫したケールはすぐに畑を離れ、その日のうちにコールドプレス工場に到着する。
さっきまで息をしていたケールたちは、コールドプレスで熱をかけず優しく搾り出され、すぐに冷凍してその鮮度を維持する。
私たちがお届けするケールジュースは、畑スタッフの日々の努力の結晶だ。