WHO WE ARE


「家やオフィスには屋根があるけど、畑にはないから。天候とか関係なくて、自然とどうやっていきていくかなんじゃないかな。」

早朝3:00、台風を予感する横殴りの雨風。
都心の交通さえ計画運休を発表し、世間を賑わせた台風予報の日のことだった。



私たちは無農薬無化学肥料でケールや在来種(*)野菜を育てています。
場所は千葉県佐倉市、畑の名は「在来農場」


2013年、たったひとり、2つの手のひらで在来農場はスタートしました。
現在では、農地は200000mへと拡大し、11名へと熱き想いに共感してくれているメンバーに恵まれました。


けれども、私たちの野菜を育てる過程に「効率化」という選択肢はありません。


そこには創業間もない頃からの精神が生きているからです。

(*)在来種野菜、または固定種野菜という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
在来種野菜は、先祖の実、花から取れた種から、よく年の収穫の野菜を育てる種のことです。


在来農場では、翌年の種を採取するため、野菜を収穫、出荷するだけではなく、花を咲かせ、種を作ります。

在来種はその名の通り、受け継がれた遺伝をもとに、環境や土地にあった生き残りの変化のつよいものが残り、次世代の野菜へと紡ぐ生命力を持った野菜です。


一方みなさんがスーパーで見かけるような収穫量の多い野菜の種の主流は「F1種(雑種第一代(First Filial Generation))」です。この種は栽培性が高く、環境に左右されず、
一代目の優勢な遺伝が強調された野菜が作ることができます。

 

例えば、 

A種のトマト 実は大きく、甘くないトマト 

B種のトマト 実は小さく、とびきり甘いトマト

A、Bの品種を掛け合せた種(F1種)のトマトは「実が大きく、甘みも安定したトマト」です。

 
このため農家にとっても栽培の効率化、形のわるい売れない野菜の廃棄分をカットできるので、種苗会社(農家に種を販売する会社)では、F1世代の種を生産して販売し、多くの野菜はF1種で育てています。

流通量の莫大な野菜が全て同じ形、安定した味を保持しているのはそのためです。

 

農家は、大量の野菜を売ることで収入を得ています。

味、形の安定した野菜の収穫がある程度約束されたF1種が主流なのはビジネス上納得のいくことです。

けれども私たちは、創業当時からF1種の野菜作りではなく在来種のみの野菜作りに専念しています。

 


 


海のように向こう側がもう見えない程、広い畑を見晴らして思う。

「在来種の野菜を育てるだけで本来であれば精一杯なのに、自分たちの首を閉めるかのように時間、人の手、コストをかけて無農薬無化学肥料で作る」ということ。

・・・とは。


「私たちは野菜を趣味で作ってるわけじゃない。」


どうしたら多くのお客様に「美味しい」と思ってもらえるのか。
「在来農場の野菜が一番だよね」って言ってもらえるのか。

 

たくさん早朝から晩まで研究して、分析して、ひとつひとつが多様性に富んだ作品を作るのだ。

 

在来種は放っといたら全滅する。

本当に土、種、苗、葉、実、全てと会話しなきゃならない。

価値のある野菜の収穫のための逆算は、種を手に取る以前から始まる。


「在来農場」では作物を植える前に土壌分析を行います。

土壌分析を基に、作物が足りないと仮説の立てられるミネラルやカルシウム、窒素などを有機肥料で補っています。


基本的に動物性の肥料はなるべく入れないように工夫し、堆肥を入れるにしても100%植物性の堆肥を使用、自然の中での調和を目指します。


畑の地力を上げる為、緑肥を蒔いて一定の生育時にトラクターで粉砕し、プラウという機械で土の中に入れ込みます。


根が伸びやすくする為にソイラーという機械で地面に一定間隔に溝を入れ、雨量の少ない時期に水が根を伝って栄養素を補給するような仕組みをつくっています。


そして、初めて種や苗の登場、作付けが始まります。


 

欲しいものはすぐにネット上で購入でき、
食べたいものは、調理された状態で注文ボタンで自宅に届く。

情報はいつでも拾えるようになり、私たちはなに不自由なく暮らせるようになった。

 

現在の利便性の高さをおさらいしながら、今宵はケール畑。

野菜の天敵モンシロチョウを引き離す為にミントを近くに植える。幼虫がついて葉を食われてしまっては木っ端微塵だ。
ミントの香りになれた頃にモンシロチョウはケール畑の上を飛び交い、幼虫がケールを食い散らかして、頭がいたい。


殺虫剤を散布すれば一発で仕事は終わる。


けれども在来メンバーにその選択肢はない。


ケールを守るために防虫ネットをかけ、通気性かあるいは保湿性か、季節や温度にに適した被覆をする。

野菜の病気の蔓延を防ぐために常に下葉を一枚一枚手で剥いで綺麗に、丁寧に。



栽培からはや4年の月日がたった頃、葉の色艶や葉の展開の仕方で判断していた収穫仮説の立て方も、最近は畑を見渡すことで雰囲気で感じとれる様なった。(スピリチュアルではない。)


土も同様、ここなら良いケールが育ちそうだなってのも少しわかる。
土壌分析では出ない数値なのだけれど、ちょっと伝えてにくいですが。


毎日畑でその様子を見て感じて、野菜から私たちは学んでいる。


美味しい野菜の作り方を、畑の自然や、野菜たちから教わるのが一番本質的なんだって信じてやまない。