ケール甘酒が生まれた1日


4月28日。朝3時。
あたりはまだまだ真っ暗な中、目を覚ます。

この日を迎えた高揚感からか、これから始まる1日への緊張感からか。
不思議と眠気は感じない。

 

街が寝静まっている中、ケール甘酒づくりの1日がはじまりました。

 

人の話し声はもちろん、物音すらもしない真夜中に畑仕事用の作業着を着込む。

「もっとゆっくりした時間からでも…」と思いたいところですが、そこは“ケールのため”。

日中の日差しが強い時間帯は、ケールのハリがなくて少し元気のない状態。

ケール本来のおいしさそのままに採ってあげるためには、陽が昇りきらない早朝の時間帯がいいんです。

都内を車で出発して高速道路を走らせる。
5時30分、畑に集合。

続々と畑スタッフが集まってくる。
その手にはホットの缶コーヒー。

朝の畑はまだまだ寒いです。

「着込みが甘かったなぁ」と少しの後悔を感じながら、農場での朝礼がスタート。
みな畑作業の段取りを確認していきます。

のんびりとした印象の多い農業ですが、1つ1つの作業を効率良く、確実に進めなければ、全ての野菜に目をかけてあげることはできません。

寝起きの和やかな雰囲気から、少しずつパリッとした“農家”の雰囲気に変わっていきます。

目的の圃場に移動して、車を止める。
視界一面にネットを被ったトンネル。

寒さを凌ぐためのこのトンネルの中で、ケールたちが収穫の時間を待っています。

トンネルの間を進みながらネットを開けていく。

まだ陽は昇りきっていない。
ケールの葉には細かい朝露。

浅い日差しを浴びて、ケールの葉が瑞々しく光を反射して映ります。

この時間帯のケールが最高にカッコいいんです。。

収穫を進めていくと、ケールの状態の良さが手のひらから伝わってきます。

葉を茎から採るときのハリ、ずっしりと重さを感じる大きな葉。

春作らしく水分をしっかり含んだ豊潤なケールです。

このケールたちは冬の間にまいた種から芽を出しました。

この間まで自分の小指ぐらいの小さな苗だったケールが、人の顔よりも大きな葉をつけ、こんなにもしっかりと育っている。

その力強さに心を打たれます。

6時55分にケール収穫を終えると、急いで車に乗り込み、ジュース工場へ。

車には自分たちで1枚1枚シールを貼った、こだわりのパッケージも待っています。

車を出発させ、高速道路に。
車内温度を上げないために、車の窓は開けっぱなし。

これもケールのためです。

ジュース工場に到着して、ケールをお渡し。

8時台の日差しを浴びながら、一息つく。
そうしていると、にわかに不安が募ってきます。

「トラブルなく、ちゃんとケールジュースになるんだろうか?」

明るい朝の日差しに反して、不安な気持ちが頭に浮かんできます。


そうして待つこと数時間。


ちょうど10時を過ぎた頃。


さっきまで畑にいたケールたちが、無事「ケール甘酒」になって私たちの手に帰ってきました。

朝3時の真夜中の目覚めから、もっと振り返れば「ケール甘酒をつくる!」と決めた数ヶ月前から、待ち望んだ瞬間です。

ケール収穫から、ジュースになるまで。

 

朝のケールに触れる感動も、

思った通りのジュースになるか?という心配も、

ケール甘酒になって帰ってきた時の喜びも、

朝10時台とは思えない疲労感と眠気も、

 

全部味わい切った1日でした。

 

私たちの想いが詰まったケール甘酒。ぜひ届けさせてください。